
ガーナ・アグボグブロシー視察
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世界最大級の電子廃棄物の現場で見た、現実
2024年、私たちはガーナ共和国・アグボグブロシー地区を視察しました。
ここは、首都アクラの近郊にある、世界最大規模の電子機器廃棄物処理場として知られています。
同時に、それは「スラム街」としての側面も持ち、深刻な貧困と環境汚染が共存する場所です。
■ 子どもたちが、“命を削って”働いている
アグボグブロシーには、およそ8万人が暮らしています。
私たちが訪れた時、そこには家電製品を燃やす子どもたちの姿がありました。
テレビやパソコン、冷蔵庫などの古い電化製品を、工具や火を使って解体し、
中にある銅線や鉄を取り出して売ることで、家族の生活を支えています。
ただ、その過程で大量のプラスチックが燃やされ、有毒な煙が街を覆っていました。
子どもたちは防毒マスクもなしに作業をし、有害ガスを日常的に吸い込んでいます。
その結果、多くの人が若くして病気に倒れ、長く生きられないという現実があります。
■ 世界の「いらない」が、誰かの「命」を削る
日本を含む先進国で出された電子廃棄物の一部が、
「再利用」や「リサイクル」という名目で、こうした地域に流れ込んでいます。
もちろん、正しく管理されたリユースや資源循環の流れは必要です。
しかし、その流れの一部が途上国の無法地帯に押し付けられてしまっている現実があることも事実です。
不要になったテレビ一台が、誰かの命を削る結果につながっている——
この視察で、それを目の当たりにしました。
■ 私たちにできることは何か
株式会社SOLでは、不用品回収事業を通じて多くの家電や生活用品を回収しています。
その中には、リユース可能なものも多数含まれており、適切なルートで海外へ輸出・販売する取り組みも行っています。
しかし今回の視察を通して、
「どこに、どう届けるか」がいかに重要かを改めて痛感しました。
誰かの暮らしを支えるはずのモノが、
知らぬ間に誰かの健康や未来を奪ってしまうことがないように。
私たちは今後、より責任あるリユース・リサイクルの仕組みづくりに取り組んでいきます。
■ 最後に:知ることから始まる、未来の変化
今回のアグボグブロシー視察は、
私たちにとって「ただの事業の一環」ではありませんでした。
それは、命や尊厳、そして社会の仕組みそのものに向き合う時間でもありました。
「何を売るか」だけでなく、
「どう届けるか」「誰のために使われるか」まで考える企業でありたい。
これからも私たちは、モノと人と社会の循環を本気で考え続けます。